セミリタイア中の50歳の人が3,000万円の貯蓄を持っていたとする。
毎年120万円を取り崩しながら会社勤めのない平穏な生活を送っていたとする。
「貯蓄が何年持つか?」を予測するシミュレーションには主に2種類の方法がある。
「貯蓄を資産運用してから年末に取り崩す」か「年初に貯蓄を取り崩してから残りを資産運用にまわす」かの2つだ。
両者のシミュレーション結果は微妙に異なる。
運用してから取り崩す
例えば、三井住友銀行のサイトにある
は「貯蓄を資産運用してから年末に取り崩す」方式でシミュレーションしている。
「資産寿命シミュレーション」で「貯蓄3,000万円を年利3%で運用しながら年120万円取り崩す」という前提でシミュレーションしてみた。
結果は次のようになった。
出典資産寿命シミュレーション(三井住友銀行)
60歳時点の貯蓄残高を見ると2,656万円となっていた。
50歳・3,000万円からスタートして60歳で残高が2,656万円となるには、1年目は「3,000万円の貯蓄を年利3%で1年運用して、年末に120万円取り崩して翌年の生活費にあてる」、つまり1年目の年末の残高は、
3000 万円 × (1 + 3%) – 120 万円 = 2,970 万円
となる。
ちなみに、セミリタイア資金シミュレーター「逃げ切り計算機」もこの方式だ。
「運用して取り崩す方式」は、まず全資金で運用するので「1年目は年末まで取り崩せない」というデメリットがある。
1年目の年初から取り崩すには次に説明する「取り崩してから運用する」という方法がある。
取り崩してから運用する
まず、1年目の年初に3,000万円から120万円を取り崩す。
残りの2,880万円を運用に回す。
1年目の年末の残高は、
2,880 万円 × (1 + 3%) = 2,966 万円
となる。
この方法は先に取り崩すので「1年目の年初に取り崩して生活費にあてることができる」メリットがある。
一方、「運用してから取り崩す」方法より元本が少なくなるので、資金の減少が大きい。
1年目の年末の残高差は、
「運用してから取り崩す」 – 「取り崩してから運用する」 = 2,970 – 2,966 = 4 万円
だ。
両者の運用結果の差はExcelの「PMT関数」で検証できる。
次の記事を参考にしてほしい。