「親ガチャ」で「当たり」を引く確率は?
最近、ネットニュースなどで「親ガチャ」という言葉をよく見かける。
子は親を自由に選べないから「ガチャ」みたいに運次第なのを指す言葉だ。
あくまでも「仮」の話だが、「親ガチャの当たり = 富裕層の子になる」と定義して、
確実に親ガチャを当てる確率
に関する問題を解いてみる。
つまり、次のような数学の問題を解く。
ある国では金持ち世帯(純金融資産1億円以上の世帯)は全世帯の1/40である。親ガチャで「富裕層の子」となる確率を99%以上とするには何回ガチャを引けばいいか。
クラスに1人いる親ガチャの勝者
「金持ち世帯」を「富裕層・超富裕層世帯」と定義すると、金持ちの割合は1/40となる。
野村総研の推計によると、2019年における「富裕層・超富裕層」と呼ばれる「純金融資産1億円以上を保有する世帯」は132.7万世帯だった。
参照野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計(野村総合研究所(NRI))
全世帯数は5,402.3万世帯だから、富裕層以上の世帯の割合は2.45%だ(132.7 万世帯 ÷ 5,402.3万世帯 = 2.45 %)。
上記の問題ではわかりやすくするため小数第2位を四捨五入して2.5%としたので1/40だ。
「1クラス40人の学校があるとすると、クラスに1人は富裕層の子がいる」ようなイメージだ。
親ガチャ問題の答案
問題を解いてみる。
親ガチャをx回引くとする。
富裕層以外の割合が97.5%(= 0.975)だから、親ガチャをx回引いて富裕層の子となる確率が99%以上となるには、
$$1 – 0.975^{x} \geq 0.99$$
$$0.975^{x} \geq 1 – 0.99 = 0.01$$
$$\log 0.975^{x} \geq \log 0.01$$
$$x\log 0.975 \geq \log 0.01$$
$$x \geq \frac{\log 0.01}{\log 0.975} = 181.89…$$
よって、
親ガチャを182回引けば富裕層の子となる確率が99%以上となる。
人生のガチャは1回しか引けない
「富裕層の割合が1/40だから親ガチャを40回引けば1回は絶対当たるだろう」
という考えは甘い。
最低でも182回引いてやっと1回当たる。
ただし、「親ガチャを182回引く」というのは「182回生まれ変わる」ということだ。
人生100年とすると、182回生まれ変わるには18,200年かかる。
18,200年前といえば、日本だと縄文時代より前だ。
ひとの人生は1人1回だ。
現実の世界では輪廻転生は難しそうなので、あくまでも「架空の数学ネタ」ということで。