『定年バカ』(勢古 浩爾(著), SB新書, 2017)、『続 定年バカ』(2019)の2冊を続けて読んだ。
次々と出版される「定年本」を批判する「定年本」だ。
「定年本」とは、「定年後は○○すべし」とアドバイス(説教?)している本だ。
定番のアドバイス(説教)は次の3つ。
- 定年後も働くべし
- 定年後は地域デビューすべし
- 定年後は健康に気を配るべし
好きなようにさせてくれ
定年後も働けばお金に困らない。
地域デビュー(近所づきあいや自治会などの活動に参加)すれば社会との接点も維持できる。
健康に気をつければ健康寿命を延ばせる。
が、本書の著者は定年本の「アドバイス」には反発している。
不満というか、、、要するに「働け」とか「地域デビューしろ」とか、「大きなお世話」なのだ。
「せっかく仕事から解放されて自由になれたのだから、定年後くらい好きなようにさせてくれ! 放っといてくれ!」なのだ。
「定年後は自由に生きたい」なら「定年本は読まないのが一番」だと、本書を読んで感じた。
貯金はあったほうがいい
定年後(早期リタイア後も含む)をどう生きるか。
定年本のアドバイスに従うか、他人の意見に左右されず自由に生きるか。
どちらにしてもある程度の貯金はあったほうがいい。
「貯金がいくらあれば安心か」は個人差が大きいので自分で計算するしかない。
本書でも定年を迎えるにあたり最大の不安は「お金」だとしている。
定年後をどう充実して暮らすのかも、何を生きがいとして生きるかも、その前提として老後のお金の心配がなく、さしあたって心身とも健康、という状態がなければならない。
出典『定年バカ』 p. 36
どんな生き方を選ぶにしても「お金の心配」はなるべく小さくしておいた方がいい(ゼロにはできないけど)。
最大の収穫
わたしが本書を読んで一番の収穫だと感じたのは、
もし、家族がいる人ならこんな歌に共感するのでは?
たのしみは
妻子 むつまじく うちつどひ頭 ならべて 物をくふ時
わたしが気に入ったのは次の歌。
たのしみは人も訪ひこず事もなく心を入れて
書 を見る時