2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の影響で、というわけではないが『平家物語』(角川古典文庫, 1959)を読んでいる。
平行して副読本として『こんなに楽しい平家物語』(千明 守(監修), イースト・プレス, 2012)も読んでいる。
超長編の平家物語のあらすじ、登場人物についての説明が充実している。
本書で目からウロコだったのは「平家」と「平氏」は違うことだった。
わたしは50年以上も「平家 = 平氏」だと思いこんでいた。
平家 ≠ 平氏
本書p. 12によると、平家とは平清盛の一家を指す。
清盛の息子や孫といった「清盛ファミリー」は「平家」だ。
が、清盛から縁遠い親戚は「平家」ではなく「平氏」だ。
平清盛直系のファミリーではない親戚は「平氏」だ。
平家にあらずんば人にあらず?
もし、「平家 ≠ 平氏」だとすると、平時忠(清盛の妻(時子)の弟、つまり清盛の義弟)が発したという名言、
「平家にあらずんば人にあらず」
はおかしいことになる。
発言者の平時忠は平氏ではあるが平家ではないからだ。
原文は「此一門にあらざむ人は、皆人非なるべし」だ。
「此一門 = 平氏」なら平時忠も平氏なのでわかる。
「此一門 = 平家」なら、平時忠自身は平家ではないので発言者自身が「人」ではないことになる。
※本書はKindle Unlimitedに入っているので、会員は無料で読める(2022年2月6日現在)。