最近(2022年3月)、「円安で物価が上がるーーー!」と騒ぐ記事が多い。
過去の当ブログをチェックしてみると、8年前の2014年もメディアが「1ドル120円で輸入品の値段が上がって大変だー」と騒いでいたことがわかる。
為替が1ドル120円を超えて「円安になると輸入物価が上がって大変!」というのは本当だろうか?
やれやれ。
確かに、円安になると輸入品の価格が上がる可能性がある。
が、物価も同じように上がるのか?
日本は輸入依存国?
例えば、輸入品の価格が30%上がると物価がどれくらい上がるか試算してみる。
直近(2020年度)の輸入総額は68兆円だった。
参照年別輸出入総額の推移表(1950年以降)(財務省「貿易統計」)
2020年度の名目GDPは541.9兆円だった。
参照国民経済計算(GDP統計)(内閣府経済社会総合研究所)
よって、日本の輸入依存度は、
68 兆円 ÷ 541.9 兆円 = 0.12548440671
だから、輸入依存度は12.5%だ。
物価上昇率を試算
もし、輸入品の価格が平均で30%上がるような事態になると、物価上昇率は、
0.3 × 0.12548440671 = 0.03764532201 ≒ 3.8 %
となる。
輸入品が30%上がっても、国産品の価格が上がらなければ物価上昇は3.8%程度となる。
日本は貿易依存度が比較的低い国なので、輸入品価格が高騰したとしてもそんなに騒ぐ必要はないのでは、とわたしは思う。
下記のサイトによると、日本の貿易依存度(2020年度)は、207か国中184位だ。
参照世界の貿易依存度 国別ランキング・推移(Global Note)