「国民年金基金の保険料7%値上げ、予定利回りは1.5%に」について、1991年、金融機関で国民年金基金の勧誘にかかわられたという「49歳窓際おやじ」氏からコメントをいただいたので紹介したい。
はじめまして。
1991年当時、某金融機関で国民年金基金の新規設立キャンペーンで1ケ月ほど勧誘に借り出されてました。
当時既に一部の厚生年金基金で積立不足が顕在化し、生保では逆ザヤが問題になりはじめました。
そんな中で予定利率5.5%+α(2口目以降6.5%なんてものもありました)で勧誘するなんて無茶だと皆思ってました。しかしお上(当時の厚生省)のお達しです。逆らうことはできません。金融機関で20年ほど飯を食ってきましたが、一番恥ずべき仕事がこの1ケ月間の勧誘でした。
数年前に転職し、金融からは足を洗っているのでもう素人同然なのですが、いずれ国民年金基金が破綻すると思います。
橘玲さんの記事はほぼ正確ですが、責任準備金に対する積立不足への認識は甘いと思います。国民年金基金のように新規加入者が極めて少なくしかも引き上げた掛金が新規加入者にしか適用されない場合は、責任準備金相当の資産が必要で資産から生まれる利益が予定利率を確保していないといずれ破綻するのは必定です。
ひとつ救いがあるとすれば、積立不足といっても1兆円強(H25年3月末時点)で、加入者に士業、師業といった声(政治力)の大きい団体も多い(実際、職能型基金の多くはそういう方々のための基金です)ので、税金又は他の年金制度の保険料で救われる可能性も結構高いとは思います。
予定利回り5.5%のような「大盤振る舞い」の年金を保証する場合、次の3つの方法があるようだ。
①資産の運用成績が5.5%を上回る
②他の年金から資金を流用する
③税金を投入する
②③は今の国民年金(基礎年金)がやっている方法だ。
サラリーマンが負担する厚生年金保険料の資金を流用したり、税金を投入したりしている。
③を推進する場合、コメントで指摘されているように「加入者の政治力」がポイントだ。
職能型基金の加入者は、医師、弁護士、司法書士、社労士、農業、漁業、建設業といった「うるさ型」の職種が並ぶ。
参照国民年金基金所在地(職能型) | 事業概況 | 国民年金基金連合会
サラリーマンのように何をされても反対せず受け入れるような従順な人たちではない。
加入者の業界団体が自民党に攻勢をかける姿が目に浮かぶ。