2025 = 321 × あ + 32 × い + 3 × う
となる場合の1桁の整数「あ」「い」「う」を求める中学入試の問題があった(2025年度 西大和学園中)。
参照2025年度中学入試 解答速報(算数)(能開センター)
「2025年」にちなんだ算数の問題だ。
あ、い、うとも1桁の整数なので0~9のどれかだ。
共通点
まず、問題文の数字「2025, 321, 32, 3」の数字をながめてみた。
すると「32」以外の数字に「共通点」があることがわかった。
32以外の2025、321、3は「3」で割り切れる。
ということは、「い」は必ず3で割り切れなければ問題文の等式は成り立たない。
つまり、「い」は3の倍数なので「0, 3, 6, 9」のいずれかであることが確定。
割り算のあまりで答えをしぼる
次に、「あ」「う」の候補をしぼるため「い」を消したいので、問題文の式を32で割った余りを考える。
2025 = 321 × あ + 32 × い + 3 × う
の両辺を32で割って、余りを求める。
2025 ÷ 32の余りは9
(321 × あ + 32 × い + 3 × う)÷ 32の余りは、「あ + 3 × う」
(321 ÷ 32 の余りは1、3 ÷ 32 の余りは3より)
つまり、
あ + 3 × う = 9
この方程式を満たす「あ、う」の候補は、
(あ, う)=(0, 3)(3, 2)(6, 1)
候補から答えを出す
上記より、「い」= 0, 3, 6, 9、(あ, う)=(0, 3)(3, 2)(6, 1)が答えの候補としてしぼれた。
2025 = 321 × あ + 32 × い + 3 × う
という問題の式をながめてみると、「あ」が「い」「う」に比べて大きくないと2025にならない。
となると、(あ, う)=(6, 1)が有力候補だ。
問題文の式にあてはめてみる。
321 × 6 + 32 × い + 3 × 1 = 2025
1926 + 32 × い + 3 = 2025
32 × い = 2025 – 1926 – 3 = 96
い = 96 ÷ 32 = 3
よって、答えは(あ, い, う)=(6, 3, 1)となった。
別解:合同式で瞬殺
別解として合同式で考えてみる。
あ=x, い=y, う=zとおくと、
321x + 32y + 3z = 2025
となる。
321x, 3z, 2025は3の倍数、かつ、32と3は互いに素であることから、
yは3の倍数でなければならない。
よって、yは0,3,6,9のいずれか。
次に、mod 32で考えると、与式は、
x + 3z ≡ 9
与式を満たすx,yは、(0, 3)(3, 2)(6, 1)のいずれか。
321x + 32y + 3z = 2025を満たす1桁の整数x,y,zはxがy,zに比べてかなり大きい可能性大。
よって、x,y=(6, 1)を最有力と期待を抱いて与式に代入してみると、
321 × 6 + 32y + 3 = 2025
32y = 2025 – 1926 – 3 = 96
y = 3
よって、(x, y, z)= (あ, い, う)=(6, 3, 1)。