3月は大学入試の合格発表シーズンだ。
わたしは合格発表には苦い思い出がある。
自分の受験番号が合格発表の掲示板に掲載されているのを見たことがない。
受験した大学のうち、合格発表を自分で見に行った大学はすべて不合格だった。
え?ついてくるの?
一番気まずかったのは、京都にある某国公立大学の合格発表だった。
わたしが校門から入ろうとすると、詰め襟の学生服を着た男子学生に呼び止められた。
「受験生? 一緒に受験番号見ようか?」
とわたしに声をかけて、ついてきた。
ひょっとしたら先輩になる人かもしれないので「ついてくるな」とも言えず、一緒に掲示板まで向かった。
おそらく彼は応援団で、合格していたら胴上げしてくれるのだろう。
気まずい空気
合格発表の掲示板で、応援団と一緒に受験番号を探した。
番号がない。
落ちている。
不合格だ。
気まずい空気が漂う。
「残念だったね」
と彼に声をかけられ大学を後にした。
自分で合格発表を見に行かなかった大学は全部合格しているのに、なぜか自分で見に行ったら全部不合格だったのが少し残念だった。