日銀のマイナス金利政策の影響で「個人の銀行預金もマイナス金利になってしまうのではないか」と心配するなら「個人向け国債(10年・変動)」を購入するという手がある。
参照:個人向け国債(財務省)
「個人向け国債(10年・変動)」は変動金利型で、日本国債の長期金利(10年物)の動きに合わせて金利が変動する。
ただし、最低金利0.05%が保証されている。
ちなみに、2016年2月発売の「第71回・個人向け国債(10年・変動)」の金利は0.05%となった。
税引き後金利は0.0398425%だ。
参照:変動10年(第71回)の発行条件 (財務省)
これ以上日本国債の長期金利が下がっても、個人向け国債の金利は0.05%を割り込むことはない。
定期預金よりマシ?
仮に、「個人向け国債(10年・変動)」を100万円購入したら、初回の利息は、
100万×0.0398425%÷2≒199円
となる。
わたしが個人向け国債を購入しているSBI証券なら100万円分購入したらキャンペーンで2,000円もらえる。
よって、初年度のリターンは
100万×0.0398425%+2000≒2,398円
となる(初回、2回目の金利が0.05%の場合)。
年利は、
2398÷100万≒0.24%
だ。
ネット銀行の定期預金は税引き前で0.2%程度だから、ネット銀行の1年物定期預金よりは少し有利な金融商品といえそう。
マイナス金利時代の資産運用
ダイヤモンド・オンラインの山崎元のマルチスコープ「マイナス金利時代の個人資産運用はどうすべきか」(2016.2.3)という記事を読んだ。
要約すると、
- 個人向け国債(10年・変動)が圧倒的に有利な金融商品となる
- マイナス金利政策の本質を知りたければ『マイナス金利―ハイパー・インフレよりも怖い日本経済の末路』(徳勝礼子著 東洋経済新報社 2015)を読め
となる。
さて、日銀のマイナス金利政策が発表されて、最初に筆者の頭に浮かんだのは、「これで、個人向け国債・変動金利10年満期型が、いっそう良い運用対象になるな」ということだった。
なぜかというと、この債券は利回りに0.05%という下限が設定されているからだ。日銀当座預金のマイナス金利が定着して、信用リスクが「ほぼ無リスク」の資産が買い尽くされると、この商品は、「当面の利回りが0.05%もあって、元本割れせず、しかも、利回りはプラスにしか変動しない」という圧倒的なポジションを得る可能性がある。
銀行預金の金利がマイナスになるのは政治的にも大きなマイナスなので、まずありえないと思う。
が、どうしても心配ならば「個人向け国債(10年・変動)」という手もある。
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