ブロガーの仕事を引退したときに「退職金」がほしい。
というわけで、先日、老後資金の運用手段として「小規模企業共済」を申し込んできた。
小規模企業共済とは、次のような制度だ。
小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立ててこられた掛金に応じた共済金をお受け取りになれる共済制度です。
出典:「小規模企業共済」(中小機構HP)
掛金を積み立てておいて、事業を廃止した場合など、引退したときに「退職金」として共済金を受け取れる国営の積立預金のような制度だ。
日銀のマイナス金利政策で銀行預金や個人向け国債では大した利息がつかないため、代替の運用手段として選んだ。
予定利率は年1.0%
共済金の予定利率は1.0%なので、今のところはふつうの銀行預金や個人向け国債より有利だ(2017.5.14時点)。
参照小規模企業共済 制度のしおり(PDF)(中小機構HP)
貯金を国が年利1.0%で運用してくれるのはありがたい。
ただし、掛金の月数が240ヵ月(20年)未満で解約した場合など、「元本割れ」するケースがあるので注意が必要だ。
参照小規模企業共済 制度のしおり(PDF)(中小機構HP)
高利回りを実感したいなら、20年以上の長期運用が基本だと思う。
参照経営者の救世主!?「小規模企業共済」とは (MFクラウド)
40代~50代で加入したら、60代~70代まで20年以上は掛金を納めて「退職金」を受け取る、というのが理想的ではないだろうか。
参照小規模企業共済制度 加入シミュレーション(中小機構HP)
掛金は全額所得から控除できる
予定利率1.0%よりもメリットが大きいと思ったのは「掛金を所得から控除できる」ことだ。
掛金は月1,000円~7万円の間で設定できる(加入後、金額の増減は自由にできる)。
ただし、掛金を途中で減額すると、運用上デメリットがあるようなので、払い込む金額は最初から無理のない範囲で設定すべきだと思う。
もし、掛金をMAXにしたら年84万円(7万円×12ヵ月)を所得から控除できる。
「貯金した分を所得から控除できる」なんて、国営ならではの大盤振る舞いですな。
年度末の収支が赤字だと使えないが、想定外の大きな黒字が出た場合に「所得控除」は効力を発揮する。
銀行で申し込んだら40分かかった
小規模企業共済の申込書を「中小機構」のサイトから請求して記入し、窓口の銀行(小規模企業共済の代理店となっている金融機関)に提出した。
参照加入手続きの流れ(中小機構HP)
小規模企業共済はネットや郵送では申し込めないから、窓口の金融機関に直接出向く必要がある(これが面倒)。
意外なことに、「ゆうちょ銀行」は小規模企業共済の代理店ではないからゆうちょ銀行では申し込めないしゆうちょ銀行の口座を引き落とし口座にできないので注意。
申し込む際は、申込書と確定申告書の控え(なければ開業届の控え)が必要だ。
わたしは、直近の確定申告書の控えを持って行った。
銀行の窓口に「申込書」と「確定申告書の控え」を提出した。
書類を提出してから、手続きが完了するまで40分待たされた。
申込書の内容に不備がないか、加入要件を満たしているのか、チェックしていたのだろう。
ともかく、窓口の金融機関に受理された。
<参考文献>
『フリーランス&個人事業主 確定申告でお金を残す! 元国税調査官のウラ技 第3版』(大村大次郎(著),技術評論社,2016)pp.126-127 part4-03「小規模企業共済もけっこう使える!」
『貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する』(橘玲(著),講談社+α文庫,2011)pp.223-224「磯野家の節税──マイクロ法人と税金」