「日本の年金制度は素晴らしい」なんて書くと反論されるかもしれない。
「少子高齢化で日本の年金制度は破綻寸前」というのがメディアの論調だから。
メディアの報道を鵜呑みにして「日本の公的年金制度を批判する」のが一般的なスタイルだからというのもある。
先日、『「年金問題」は嘘ばかり ダマされて損をしないための必須知識』(髙橋 洋一 (著), PHP新書, 2017)を読んだ。
本書によると、現在の公的年金制度を正しく運用していけば破綻する可能性はほぼない。
現役世代の負担が激増したり、老後にもらえる年金が激減することもない。
少子高齢化で現役世代が減って老人が増えても経済成長していれば大丈夫だ。
本書を読んで日本の公的年金制度の中身を正しく理解すれば、メディアに不安を煽られても「またやってるな(笑)」とやりすごすことができる。
年金の運用に株式投資は不要
本書を読んで目からウロコだったのは「年金の運用で株式投資は不要」な点だ。
理由は「日本の公的年金はインフレヘッジされている」から。
つまり「インフレ」に備えて、物価が上がっても大丈夫な仕組みになっている。
「インフレになっても大丈夫」なのだから、年金の運用で株でリスクを取ってインフレに備える必要はない。
本書を読むまでは、年金の運用も株式投資で「インフレ率を上回る利益」が必要だと思い込んでいた。
しかし、日本の公的年金制度ではリスクを取って株で稼ぐ必要はない。
年金制度の中にインフレリスクを回避する仕組みが組み込まれているからだ(ただし、当然ながら「経済成長」が必要)。
詳細は本書で確認してほしい。
ヒントは「日本の年金制度は賦課方式」。
公的年金だけでは心配なら
もし、どうしても公的年金だけでは心配というなら、確定拠出年金やNISAで自分で資産運用すればいい。
自営業・フリーランスなら「国民年金基金」や「小規模企業共済」など、「節税とセット」になった制度が使える(ちなみに、わたしは加入している)。
国民年金基金制度とは? | 制度について知る | 国民年金基金連合会
小規模企業共済(加入をご検討の方)|小規模企業共済(中小機構)
※※
老後資金は、「公的年金 + 自分で資産運用(貯金・確定拠出年金など)」で用意しておけば「破綻」を心配する必要はない。
遠い将来のお金を心配するヒマがあったら、今やりたいことをやって楽しんだ方がいい。