セミリタイア生活に必要最低限のお金しかなければ獣と同じ

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セミリタイア生活に入ろうとして、資金のシミュレーションをするときは「必要最低限のお金があればいい」という考えでは人間らしい生活ができない。

シェイクスピア『リア王』(光文社古典新訳文庫, 2006)を読んでそう感じた。

「リア王」とは「リタイアした王」なのだ。

だからといって「リタイアした王」を略して「リア王」というタイトルがついたわけではない(似ているけど)。

本書で学ぶ教訓は「リタイアするときはある程度の財産がないとみじめな思いをする」だ。

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財産をすべて娘達に譲ってリタイア

ストーリーは超有名なので詳しくはここでは書かない。

イングランドの「リア王」は財産(領地などの資産)をふたりの娘ゴリネルとリーガンに譲ってリタイアして、余生は娘夫婦たちに面倒をみてもらおうとしていた(もうひとりの娘コーディリアはリア王とケンカして勘当され、フランス王とともに国を出て行った)。

しかし、リア王があまりにもかんしゃく持ちでワガママなため、娘たちはもてあます。

財産を引き継いだふたりの娘たちはリア王の家臣100人を25人に「リストラ」したが、さらなるリストラを要求する。

理由は「25人も必要ない」からだ。

娘のリーガンは父のリア王に「なぜ25人も必要なのか」と問う。

人間らしく生きるには必要以上のものが必要

リア王は反論する。

必要? 必要だと? ええい、必要など持ち出すな! どんなに卑しい乞食であろうと、いかに下らぬ者であっても、必要以上の物は必ず身につけておる。人間から必要以外の物をことごとく奪ってみろ、人間の命は獣同然。

(『リア王』二幕四場)

※強調は引用者による

なるほど。

「生活するのに必要最低限のお金さえあればいい」という考え方は「獣と同じ生活レベルでいい」と言っているのと同じなのだ。

(このリア王のセリフは小遣いや予算を減らされそうなときや、ミニマリストへの反論に使えそう(笑))

無一文リタイア生活に必要なものとは

さらにリア王は続ける。

本当の必要とはな――おお、神々よ、忍耐をお与えくだされ、忍耐を!

(『リア王』二幕四場)

そう。無一文で、子供からも愛想をつかされた老人に必要なものとは「忍耐」なんだな。

※『リア王』が納められている「光文社古典新訳文庫」は、かなりの数のタイトルが「Kindle Unlimited」で読める。

▼まんが版もあるよ。

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