デスクの目~不可解な分数の「和」(2019.7.26 読売新聞オンライン)
という記事を読んで悩んだ。
記事タイトルにもある「不可解な分数の和」に悩んだ。
2/3 = 0.666…、1/3 = 0.333… なので、
「2/3 + 1/3 = 0.999… = 1」
だというのだ。
ホンマカイナ。
「0.999… = 1」の証明
記事には次のような「証明」が掲載されていた。
0.999…=1を簡単に証明する方法がある。
0.999…をXとすると、それを10倍した9.999…は10Xとなる。10X-X=9なので、9X=9。よって、X=1。もともとXは0.999…なので、0.999…=1ということになる。
つまり、こういうことだ。
\begin{aligned}10x-x=9.999\ldots -0.999\ldots =9 \\
9x=9 \\
x=1 \end{aligned}
確かにこれで正しいのかもしれないが、何だか狐につままれたような違和感がある。
公式で解く
もう少し納得できるのが「無限等比級数の和」の公式を使って解くやり方だ。
\begin{aligned}0.999\ldots =0.9+0.09+0.009+\ldots \\ =\frac {9}{10}+\frac {9}{10}\cdot \frac {1}{10}+\frac {9}{10}\left( \frac {1}{10}\right) ^{2}+\ldots \end{aligned}
なので、0.999…は、「初項9/10、公比1/10の無限等比級数」なので、無限等比級数の和の公式より、
\begin{aligned}0.999\ldots =\frac {\frac {9}{10}}{1-\frac {1}{10}}=1\end{aligned}
これで一件落着?
※「無限等比級数の和」の公式については次の記事を参照。
参考サイト【数学塾直伝】0.999…=1のよくある証明(3種)の問題点と無限等比級数を使ったより厳密な証明(極限の解説付き)。(永野裕之のBlog)