以前、買い物で電子マネー(nanaco)とクレジットカードを併用しようとして断られた。
電子マネーの「nanaco」で支払おうとしたら残高不足だったので、不足分をクレジットカードで払えるかどうかきいたら「できません」と言われた。
理由を調べていくと、種類が異なる複数のカードを使えない理由は「所有権」であることがわかった。
商品の所有権はカード会社にあり
クレジットカードで商品を購入しても、購入時点ですぐ自分のモノになるわけではない。
理由はクレジットカードでの購入は「借金して買う」のと同じだからだ。
たとえ一括払いであっても。
商品の所有権は、代金をカード会社に支払う(返済する)まではお金の貸主であるカード会社が持つことになる。
会員は、カード利用により購入した商品の代金債務を当社に完済するまで、当該商品の所有権が当社に帰属することを承諾するものとします。
出典三井住友VISAカード&三井住友マスターカード会員規約(個人会員用) 第29条第4項 (三井住友カード)
所有権を明確にするため
もし、複数のクレジットカードでひとつの商品を購入できると、所有権があいまいになる。
例えば、A社のクレジットカードとB社のクレジットカードを同時に使って購入できてしまうと、その商品の所有権がA社にあるのか、B社にあるのか、わからなくなる。
所有権とは、「物を自由に直接かつ排他的に支配できる権利」なので、複数の人間・法人がひとつの物に対して所有権を行使できてしまうと所有権の重要な概念である「排他性」が崩れてしまう。
民法第206条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
出典民法(e-Gov)
※上記は2020年5月18日現在の情報です。