グループデートでカップルが成立する確率は、意外に高い。
ただし、、、。
数学の問題で暇つぶししようと『入試数学伝説の良問100―良い問題で良い解法を学ぶ』(安田 享(著), 講談社ブルーバックス, 2003)を読んだ。
本書でこんな入試問題が紹介されていた。
男性が2人, 女性が2人いる。各々は自分の異性をでたらめに1人指名する。互いに相手を指名すればカップルが成立するものとして, ちょうど1組カップルが成立する確率を求めよ。 (1984 追手門大)
※強調はブログ管理人による。
男女それぞれ2人ずつ、計4人がグループデートして、最後に「好きな相手」ではなく「でたらめ」、つまり相手をまったく評価せずにランダムに指名して、しかも「誰も指名しない」選択肢がないなんてこと、ありえない(笑)。
1組だけカップル成立の確率を求める
上記の問題はありえないシチュエーションだが、問題を解いてみる。
求めるのは「ちょうど1組カップルが成立する確率」だ。
男性2人(A、B)と女性2人(P、Q)が異性を指名するとき、考えられる選択をすべて挙げる(AがPを指名するとき、「A → P」と記述することにする)。
A → P
A → Q
B → P
B → Q
P → A
P → B
Q → A
Q → B
以上の選択の組み合わせは、4人がそれぞれ選択肢を2つもっているから、
2 × 2 × 2 × 2 = 16 (通り)
カップルが2組成立する確率
ここで、カップルが2組成立する場合を考える。
指名した相手がすべて一致するケースは、
(A → P, B → Q, P → A, Q → B)
(A → Q, B → P, P → B, Q → A)
の2通り。
なので、カップルが2組成立する確率は、
2/16 = 1/8 ……①
カップルが成立しない確率
次に、カップルがまったく成立しない確率を考える。
指名した相手がまったく一致しないケースは、
(A → P, B → Q, P → B, Q → A)
(A → Q, B → P, P → A, Q → B)
の2通り。
よって、カップルがまったく成立しない確率は、
2/16 = 1/8 ……②
カップルが1組成立する確率
カップルが1組だけ成立する確率は、「すべてが発生しうる確率(つまり1)」から、「カップルが2組成立する確率(①)」と「カップルがまったく成立しない確率(②)」を引けばいいから、
1 – 1/8 – 1/8 = 1 – 2/8 = 6/8 = 3/4 = 75 %
となる。
「ちょうどカップルが1組成立する確率」は75%なので、けっこう高確率?
2組成立する確率を加えると、カップルが1組以上(少なくとも1組)成立する確率は、
1/8 + 3/4 = 7/8 = 87.5 %
となり、9割近い確率でカップルが成立する。
ただし、相手をランダムに選び、しかも「該当者なし」という選択肢が与えられないという、ありえないシチュエーションでの話だが(笑)。
上記はあくまでもわたしの解答案なので、正答例は本書p. 104を参照してください。