『もう一度解いてみる 入試数学』(鈴木 伸介(著), すばる舎, 2019)という大学の入試問題集にある問題を解いてみた。
問題は、
4人でじゃんけんを2回するとき、2回ともあいこになる確率を求めよ。
という2011年の信州大学の入試問題だ。
この問題を読んでふと、
「そういえば、大人になってから”じゃんけん”をしなくなったな」
と思った。
じゃんけんをする必要性がないから。
あいこになる確率
わたしはいきなり「あいこになる確率」を求めず、まず「勝負がつく確率」を求めた。
「4人で1回じゃんけんをして勝負がつく確率」をpとすると、あいこになる確率は1-pだ。
問題にある「2回じゃんけんをして2回ともあいこになる確率」は、あいこが2回連続で続くので (1-p)×(1-p) だ。
というわけで、まずは4人で1回じゃんけんをして勝負がつく確率を求める。
なお、問題文には書いてないが3つの手(グー、チョキ、パー)が出る確率はそれぞれ同じで「1/3」だ。
勝負がつく確率
「4人で1回じゃんけんをして勝負がつく」とは、
「4人の手が2種類」
という結果になったときだ。
例えば「グー、パー、パー、パー」のように「グー」「パー」2種類になったときだ。
言い換えると「誰もチョキを出さなかったとき」だ。
誰もチョキを出していないので、4人は「グー」「パー」の2組に分かれる。
1人につき「グー」「パー」の2種類選択できるから、4人の「グー」「パー」の出し方は、2を人数分の4回掛けて、
24 = 16 通りある。
ここで注意すべきはこの16通りの中に「4人ともグー」「4人ともパー」の2通りが含まれる。
この2つは「あいこ」になるので除く。
よって、4人が誰も「チョキ」を出さなかったときの「グー」「パー」の出し方は、
16 – 2 = 14 通り
となる。
チョキの他にも「誰もグーを出さなかったとき」「誰もパーを出さなかったとき」もそれぞれ出し方は14通りずつある。
よって、4人で1回じゃんけんをしたとき勝負がつくのは、
14 × 3 = 42 通り
ある。
4人の手の出し方は、4人がそれぞれ「グー」「チョキ」「パー」の3つ選択できるので、
34 = 81 通り。
よって、「4人でじゃんけんをして1回で勝負がつく確率”p”」は、
p = 42/81 = 14/27
2回ともあいこになる確率
4人で1回じゃんけんをしてあいこになる確率は「1-p」だから、
1 – p = 1 – 14/27 = 13/27
2回ともあいこになる確率は、
(1-p)×(1-p) = (13/27) × (13/27) = 169/729
となる。
別解の正答例は本書pp. 173 – 175 を参照してほしい。
信州大学の思い出
信州大学で思い出した。
高校時代、スキー好きの同級生が、
「信州大学を受けるので、ついでに近くの長野のスキー場で滑ってくる」
と言っていた。
おい。
「滑ってくる」
って縁起悪いって。