おひとりさまでセミリタイア生活を送っていると、老後は高齢者施設に入らずに最期まで自宅にいる方が幸福か。
『老後のホンネ、幸せなのはどっち?』(辻川 覚志(著), PHP文庫, 2017)を読んだ。
本書の著者は開業医で、著者が続けている「60歳以上のひとりぐらし」への支援活動や、来院者へのアンケート調査などをもとに「快適な老後」について考えた本だ。
おひとりさまの老後は高齢者施設か自宅か
本書でわたしが関心を持ったのは「老後は高齢者施設に入った方が快適に過ごせるのか?」だ。
ひとりぐらしで老後を迎え、体力が衰えてきたらやはり高齢者施設に入って「至れり尽くせり」の生活をした方がいい?
著者が実施した回答者が約2,400名のアンケートによると「高齢者施設に入って良かったと回答した人はゼロ」だったそうだ。
80代前半の男性の、
「まるで全寮制の小学校に入学したような気がする」
という回答が印象的だった。
わたしも「集団生活」「集団行動」は大の苦手だ。
ということは、集団生活が基本の高齢者施設に入ると、すぐに息苦しくなるかも。
高齢者施設が悪いわけではない
アンケートでは「高齢者施設に入って良かったと思えた人がいない」という結果だった。
が、「高齢者施設のクオリティが劣悪」という意味ではない。
ひとりぐらしの高齢者が高齢者施設に入ると、
「自由」「友人」「住み慣れた土地」
を一気に失うことになるのだ。
だから、いくらハイクオリティな高齢者施設に入っても「良かった」と思えないのだ。
と、本書では考察している。
まとめ
せっかく早期リタイアして自由を手に入れたのに、晩年に高齢者施設に入って自由を失うのは不本意だ。
健康寿命を長くするとともに、自由の寿命も長くしたいな。
と本書を読んで感じた。