大谷の後払い契約でなぜ350億円の損金が出るのか

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大谷のドジャースとの契約は「金融の勉強」になる。

大谷翔平の『後払い契約』、損金は10年で350億円超か「わかっていながら申し出た」米メディアさらに話題(2023.12.13 中日スポーツ)

という記事を読んだ。

記事によると、大谷が手にする7億ドルは、貨幣価値の目減り分を考慮すると約4億6千万ドルに減るそうだ。

約2億4千万ドル減るから1ドル=145円で計算すると約350億円の損失となる。

なぜ、7億ドルが4億6千万ドルになっちゃうのか、計算根拠が知りたくなった。

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毎年4.43%減る収入

記事で計算根拠として紹介されていた大リーグ公式サイト「ファングラフス」のジョン・ベッカー氏がXへ次のような投稿しているのを見つけた。

大谷の7億ドルの目減りは次のように計算している。

  • 割引率は4.43%
  • 6800万ドルの現在価値は44,081,476.50ドル
  • 平均年俸(AAV)は約4,608万ドル(上記の4,408万ドルに最初の10年で受け取る年200万ドルをそのまま加算)
  • よって、7億ドルの現在価値は4億6千万ドル(= 4,608万ドル/年 × 10 年)

6,800万ドルの10年後の価値

上記のXの投稿では大谷が10年後から受け取りを開始する年6,800万ドルの現在価値を44,081,476.50ドルとしていた。

Googleスプレッドシートで実際に計算してみた。

割引率(1年で貨幣価値が減る割合)を4.43%とすると、現在の6,800万ドルの価値は次のように減っていく。

割引率4.43%

6,800万ドルを「1+4.43%」、つまり1.0443で割っていく。

10年後の価値を計算するには1.0443で10回割ればいい。

つまり、「68,000,000 ÷ 1.044310 = 44,081,476.50」だ。

10年後から受け取りを開始する年6,800万ドルの現在価値44,081,476.50ドルに、最初の10年で受け取っていく「年200万ドル」を加えて「平均年俸(AAV = Average Annual Value)」を46,081.476.50ドルと計算している。

よって大谷がもらうお金の現在価値の総額は46,081.476.50ドルに年数の10を掛けて、約4億6千万ドルと計算している。

本来なら将来のお金の価値の目減りを補償するためにインフレ率や金利を加味した利息を上乗せしてもいいのだろうけど、大谷側は無利子での契約をOKしたのだろう。

ドジャースにとってはありがたい契約だと思う。

参照大谷翔平の年俸から学ぶ割引現在価値(Bespoke Professionals)

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