中小企業は経営基盤が弱いとされ、就活生も避けている。しかし中小だからダメと片付けるのは早計だ。バックに大企業がついていれば経営が傾いても潰れない、と言うより大企業側が潰させない。潰れたら格好悪いからだ。
例えば、中小企業A社があるとする。大企業のグループ会社で、経営者や幹部社員は大企業からの出向者(天下り?)がほとんど。
A社は主力商品の競争激化や販売不振で累積赤字が重なり、経営が立ち行かなくなった。普通の中小企業なら倒産して従業員は全員解雇だ。
しかし、大企業が経営参加している会社が潰れた、となると「格好悪い」。経営責任が問われる。当然、潰さないような策を考える。
傘下の子会社の中で同様の商品を販売している会社があるかどうか調査する……B社というのを見つけた。じゃあ、A社とB社を合併させよう。外部には「経営資源を統合することで合理化を図る」とか言っておけばいい。
結局、A社はB社に吸収合併されることになり、「B株式会社A支社」として再出発することになるだろう。A社従業員はB社に転籍させる、ではなく本人の同意をとって転籍していただく。「B社はA社よりずっと規模の大きな会社で給与水準も高い、”栄転”じゃないか」、といえばいい。
問題は、A社の経営責任がうやむやになったことだ。A社に出向していた役員や幹部は別の関連会社に異動して終わりになるだろう。