中国が、沖縄県・尖閣諸島上空周辺に防空識別圏を設定して騒ぎになっている。
中国軍機関紙、解放軍報が25日に「国家主権を守ろうとする中国軍の決意を見くびってはいけない」と主張、日米への「対決姿勢」を一段と強めている。
出典「安倍政権、国際圧力も中国軍機関紙は『見くびるな』尖閣上空、高まる緊張」(産経 2013.11.25)
中国人の言動を理解するには、岡田英弘著『この厄介な国、中国 (WAC BUNKO)』が参考になる。
中国人の行動原理は「指桑罵槐(しそうばかい)」であるという。
「指桑罵槐」とは
「指桑罵槐」とは、「桑を指して槐(えんじゅ)を罵る」つまり、
本当の怒りの対象とはぜんぜん別のものを攻撃する
という意味らしい。
中国人が怒っているとき、その言葉を鵜呑みにしてはいけない。中国人は、どんなときも表立って誰かを批判したり、攻撃することはけっしてない。当事者を批判することはほとんどなく、この「桑を指して槐を罵る」というやり方を採る。つまり、ある相手を攻撃しているように見せて、実は別のところにいる人を批判しているのである。
だから、もし中国人が面と向かって罵り言葉や批判を投げつけたときには、それにただちに反応してはならない。よく相手を観察し、彼らが真に攻撃したい対象が別のところにあるのではないかと考えるべきである。言い換えるなら、彼らが書かないこと、語らないことにこそ、事の本質が潜んでいるとみるべきなのである。
「歴史教科書問題」で謝罪する必要はなかった
本書では例として、1982年のいわゆる「歴史教科書問題」を挙げている。
当時の文部省が世界史の教科書で「侵略」という言葉を「進出」に書き換えさせたことを日本の新聞が報じて、中国で反日キャンペーンが起こり、外交問題になった事件である。
歴史教科書問題では、中国が攻撃したかったのは日本ではなく、別の誰か(中国の某大物政治家)だったということだ(詳細は本書を参照してください)。
中国の新聞に、
今回の教科書問題で、日本の野望は明確になった。日本人は再び中国を侵略するつもりである。
と書いてあったら、普通の日本人なら「中国が歴史教科書問題で日本を批判している」としか受け取らないだろう。
実は日本などどうでもよく、別の誰か(中国の某大物政治家)を攻撃するために、日本はただ利用されていただけのようだ。
面倒くさい人たちだ。
今回は、
「国家主権を守ろうとする中国軍の決意を見くびってはいけない」と主張
している。さて、今回は「真の矛先」は誰に向いているのか。表の報道を鵜呑みにせず、冷静に判断すべきだ。