NHK高校講座「現代文」を聴いた。教材は、俵万智のエッセイ『情けは人の……』だった。
教材の文中に、
「眼福」
という言葉があった。文中では、著者がボーイフレンドとの展覧会デートで次のように使っていた。
以前、いっしょに展覧会を見に行った時、あまりの素晴らしさに私が「あー、眼福、眼福。」とつぶやいた。
「えっ、何?ガンプクって」
「だから、まさにこういう状態よ。目が至福の時を味わってるって感じかしら」
その言葉を知らなかった彼は、興味津々。
「普通は、目の保養とかって言うんじゃない?」
「うーん、 そういう言い方もあるけど、 私にとっては眼福のほうが、 ぴったりくるのよね。なんかマンプクと響きが似ているからかしら。それは私の勝手なイメージなんだけど、とにかく美しいものを見て、ごちそうさまっていう気分になると、思わず、眼福ッて言いたくなるのよね。
わたしも「その言葉」を知らなかったので興味津々となった。久しぶりに美しい日本語に出会った。
がんぷく【眼福】
美しいもの,貴重なものが見られた幸運。 「思わぬ-にあずかる」