ロシアがウクライナへの軍事介入を強める姿勢を見せている(2014年3月)。
アメリカは「資産凍結」で対抗するらしい。
ロシアがウクライナで軍の活動を縮小させない場合、米国は渡航禁止や資産凍結などの制裁を数日内に準備する見通し。
「ロシア大統領、ウクライナ侵攻の必要まだない-米国は支援準備」(2014.3.5 ブルームバーグ)
「資産凍結」とは具体的に何をするのだろう。
ロシアの資産を凍らせる?
在米ロシア人の家にアメリカの警察が踏み込んで財布や金庫を取り上げるのだろうか?
資産凍結のやり方
実際の「資産凍結」の方法は、橘玲『マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)』によると、
米政府が米国内の金融機関に対し、コレスポンデント口座を開設・維持・管理・運用することを禁ずる命令を出す
ということらしい。
金融機関が米ドルで決済をする場合、米国内の銀行にコレスポンデント口座を開設しなければならない。
例えば、日本の銀行で米ドルの外貨預金を作った場合、実際の米ドルは日本の銀行ではなく、日本の銀行が米国内の銀行に開設した「コレスポンデント口座」に保管される。
現金しか使えなくなる?
「資産凍結する」というのは米銀行内の「コレスポンデント口座を使えなくする」ということなので、米ドル預金の入出金ができなくなってしまうということになる。
米ドル預金が全く使えなくなる。
金融機関経由の米ドル取引が一切できなくなるので、ものすごく不便になる。
「アメリカ政府がロシアの資産を凍結をする」というのは、
「ロシアの金融機関が米国内の銀行に開設しているコレスポンデント口座を使用不能にする(新規開設も不可)」
ということになるのだろう。