嵐山光三郎『現代語訳 徒然草』(岩波現代文庫)を読んだ。
一番面白かったのが第188段の「いちばん大事なこと」。
一番大事なこと、つまり最も大切な財産は、徒然草の時代も現代も「時間」だ。
計画倒れで人生が終わるのはもったいない
ざっくり言うと、
- 長期的な目標を立てても、日常の雑務に追われていると目標を達成できずに人生が終わってしまう。
- いちばん何がやりたいのかを決めて、それ以外は捨てよ。「あれもやりたい、これもやりたい」では何も達成できない。
- 最優先目標以外のことができていないことを他人に批判されるかもしれないが、気にしないで自分のやりたいことだけををやれ。
一生のうち、自分がなしとげたいと思っていることのなかでなにをいちばんやりたいのかを、よくよく考えて、そのほかのことは断念して、やりたいと思うことだけにはげむことが大切なんだ。
一日のうち、一瞬のうちで、多くのことがやってくるなかで、なにをするべきかをよく考えてえらび、そのほかのことはやらずに、いちばんやりたいことへ急がなくちゃいけない。あれもやりたいこれもやりたいと執着しているようでは、一つのこともなしとげられない。
やりたくないことをやる時間はない
吉田兼好が『徒然草』で言っているように、やりたくないことをやっている時間はない。
特に40代以降は「時間の有限感」を感じることが多い。時間だけでなく、体力にも限りがある。
自分で動けるうちにやりたいことを心ゆくまでやりたい。
自分の人生でいちばんやりたいことは「日銭を稼ぐために心身をすり減らすこと」だろうか?
NO
という確信に至ったとき、「早期退職してセミリタイア」という結論になった。