福澤徹三『自分に適した仕事がないと思ったら読む本―落ちこぼれの就職・転職術 』(幻冬舎新書, 2008)を読んだ。
本書の想定読者は次のような「就職」というシステムからこぼれ落ちてしまった人たちだ。
はじめから意欲がなくて、就職しなかった。
意欲はあったが、就職できなかった。
就職はしたものの、うまくいかずに退職した。
本書「まえがき」
わたしの場合、「就職はしたものの、うまくいかずに退職した。」に該当する(笑)。
再就職最大の壁は「高すぎるプライド」
本書に書いてある、「中高年の就職が難しいに理由」については納得。
中高年の再就職を邪魔するもの、それは「高すぎるプライド」だ。
中年になってぶらぶらしているような人間でも、若者より賢いつもりでいます。その証拠に「最近の若い連中は」と十把ひとからげで馬鹿にします。
問題は年齢の高低ではなく学習の密度なのに、歳をとっただけでえらくなったと勘ちがいをするのです。
(中略)
プライドというのは年齢とともに高くなるものです。
プライドが高くなるとどうなるかといえば、頭がさがらなくなります。
pp.136-137
歳を取る→頭がさがらなくなる→同僚(特に後輩・部下)に質問できなくなる→勝手に判断して失敗する→会社が中高年に失望する
という悪循環になるので、中高年の再就職は難しくなる。
「年齢」と「知識・スキル」は比例する、と多くの人が思い込んでいるのでさらに中高年の再就職は難しい。
「いい歳しているのにこんなこともわからないのか」→「やっぱり若者を雇ったほうがいいな」
と思ってしまうからだ。
頭を下げて周囲に助けを求められるか
中高年本人は、
「無知・無能であることを知られちゃいけない」
とデビルマンのエンディングの歌詞のように思いこんでしまい、さらに周囲に助けを求めることをしなくなる。
頭をさげるのに屈辱を感じるなら、それは自分がまいた種であって、他人を恨む筋合いのものではありません。むしろ屈辱をばねにして、仕事に意欲を燃やすべきでしょう。
p.138
プライドをどこまで捨てられて、頭を下げて周囲に助けを求められるか
これが中高年の再就職のポイントだと思った。
プライドは捨てたくない、頭を下げたくないならお金を貯めて完全リタイアするいう方法もある。
わたしが「就職」を避けたいのは、
- 毎朝決まった時間に起きるのがいや
- 雨天に外出したくない
- 満員電車に乗りたくない
というのが理由だ。
プライド以前の問題だ(笑)。