預金封鎖1946

シェアする

スポンサーリンク
yen

NHKのニュースで取り上げられた1946年(昭和21年)の「預金封鎖」。

敗戦直後のものすごいインフレの抑制と、軍事費捻出のために乱発した国債をチャラにするため、預金の引き出しを制限した政策だ。

参照“預金封鎖”の真実 (2015.2.18 NHK)

現代の日本でも、「1,000兆円を超える国債をチャラにするために、政府が再び「預金封鎖」を行なって、強制的に円資産を没収するのでは」という心配がある。

スポンサーリンク

日本国憲法下では預金封鎖できない?

しかし、日本国憲法84条には、

あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。


とあり、「預金封鎖」のような資産課税を行うには新たに法律を作る必要がある(租税法律主義)。

もし預金封鎖をする法律ができたとしても、法律が有効になる前に預金を引き出してしまえばいい。

では、前回の敗戦直後の「預金封鎖」はどんな法的根拠で行われたのだろう。

緊急勅令

預金封鎖の根拠となった法律は、

「金融緊急措置令」 勅令第八十三号

だ。

「勅令」とは、大日本帝国憲法のもとで天皇が発した命令だ。

上記の勅令は「緊急勅令」で、大日本帝国憲法第8条に基づき緊急時の法律に代わるものとして天皇が発布した命令である。

緊急勅令は国家の安全保障上、帝国議会が閉会中の場合に緊急に出される命令で、帝国議会の事後承諾が必要となる。

つまり、前回の預金封鎖は、現在の日本国憲法ができる前の、大日本帝国憲法下で出された「緊急勅令」が根拠となっている。

預金封鎖で不安を煽られたら

現行憲法下で「財政が厳しいから預金封鎖して円資産を強制徴収する!」と政府が言っても、根拠法がなければ無効なのだ。

国会で法律を作ってもらわないといけない。

もし、「財政破綻だぞ!預金封鎖だぞ!大変だぞ!」と煽られたら、

預金封鎖をするための根拠法を教えてください。どの法律の第何条に明記されていますか?

何の法的根拠もなく預金封鎖をすることは、日本国憲法第84条に抵触する……というか、単なる強盗だと思いますが

と答えることにしよう。

ちなみに、「預金封鎖」の根拠となった「金融緊急措置令」は昭和38(1963)年7月22日に廃止となった。

<参考サイト>
終戦直後の新円切り替え、預金封鎖の根拠法令について知りたい。また、この法律は現在も有効か。 (国立国会図書館)

勅令 (Wikipedia)

大日本帝国憲法 (国立国会図書館)

スポンサーリンク

シェアする

twitterをフォローする
twitterをフォローする

ブログを購読する
ブログを購読する

follow us in feedly RSS