佐藤優『お金に強くなる生き方』 (青春新書インテリジェンス, 2015)を読んだ。
サラリーマンの「有効なお金の使い方」は「健康への投資」と「人間関係にお金を使う」だという。
後者の「人間関係へお金使う」というのは、例えば「分相応な範囲で後輩におごる」ことだ。
本書を読んで「やっぱりサラリーマンには向いていなかったな~」と強く思った。
後輩におごって査定アップ?
「後輩を飲みに連れて行く」というのは、仕事帰りに後輩を飲みに誘って、飲み食いしながら仕事や人生について語るのだろう。
部長や役員、人事部などはこういうことをよくチェックしています。新入社員を分相応の店に連れて行き、面倒を見ているという情報は会社では結構な速さで伝わり、結局それが自分の評価につながります。
わたしのサラリーマンを思い返すと「新入社員を分相応の店に連れて行き、面倒を見る」なんてことはした記憶がない。
自己評価を上げるためであっても、やりたくないことを渋々やるのはすごく苦手。
「仕事が終わって誰かを飲みに連れて行く」のも、「飲みに連れて行かれる」のも苦手だった。
仕事が終わったらさっさと帰宅したい。
業務外の時間は同僚とは会いたくなかった。
人事評価アップのための飲み会は嫌
「後輩を飲みに連れて行っているかどうか」が「人事考課のポイント」になっていると思うと、背筋が凍る思いがする。
「飲みに行く」ことが「ノルマ」のように思えて、気が重くなる。
かといって、「後輩を飲みに連れて行かないと人事の査定が下がる」という状態にも耐えられない。
後輩を飲みに連れて行くのも嫌、飲みに連れて行かずに人事の査定が下がるのも嫌。
つまり、「評価アップのための努力はしたくない、しかし評価が下がるのも耐えられない」という「ワガママ状態」になっていた。
「自分はサラリーマンに向いていない」と確信した。
「誰かを飲みに誘う(または誘われる)」という普通のサラリーマンにとっては何でもないことが、自分には「悩みの種」になっているから。
で、「これは早目にサラリーマンから足を洗ったほうがいい」、と思い、早期退職となった。
サラリーマンをやめると「飲み会に行くかどうかで悩む」ことから解放されて、本当にすがすがしい毎日だ。