6月といえば梅の季節だ。
梅といえば梅酒。
自宅で梅酒を作ったら「密造酒」になって違法になるのだろうか?
酒には税金がかかるから、密造酒は違法となる。
梅酒を作っても大丈夫?
国税庁HP「【自家醸造】」によると、次の要件を満たせばOKらしい。
Q1 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。
A しょうちゅう等に梅等を漬けて梅酒等を作る行為は、酒類と他の物品を混和し、その混和後のものが酒類であるため、新たに酒類を製造したものとみなされますが、消費者が自分で飲むために酒類(アルコール分20度以上のもので、かつ、酒税が課税済みのものに限ります。)に次の物品以外のものを混和する場合には、例外的に製造行為としないこととしています。
また、この規定は、消費者が自ら飲むための酒類についての規定であることから、この酒類を販売してはならないこととされています。1 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ
2 ぶどう(やまぶどうを含みます。)
3 アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす】
つまり、自分で飲むために作った梅酒はOKだ。
梅酒は梅と酒で作る。
原料の酒の度数がアルコール分20度以上で課税済み(密造酒でない)であれば問題ない。
ただし、上記の1~3の物品を混入させてはいけない。
なぜ日本は酒の規制が厳しいのか
日本で個人が酒を無許可で作ると、原則として違法となる。
例外的に「自分で飲むため」などの場合に適法となる。
なぜ酒を作ることに国はこんなに規制をかけるのか?
それは、日本はかつて「酒税」で国家を運営していたからだ。
明治32年(1899)に酒税は、地租を抜いて初めて国税の税収第1位となり、以後地租とともに国税の中心となりました。
明治時代は、安定した醸造のため、酒造の伝統的な技術に加え欧米の科学的な手法が取り入れられた時代でもありました。
平成22年度特別展示「酒税が国を支えた時代」 (国税庁HP)
酒税が税金の中で税収第1位になった時代があった。
だから、庶民が勝手に酒を作って「税金逃れ」することに、国が神経を尖らせていた。
なぜ酒税が税収第1位なったかといえば、「取りやすい税金」からだったと思われる。
現在も酒に税金がかかっているが、税率を気にしながら飲む人は少ないだろう。
どうしても酒税を払いたくなければ酒を飲まなければいい。
つまり、酒税を払うかどうかは国民個人が自由に決められる。
酒は生きていく上で「必需品」ではないから、「酒税を払わない」という選択は(アルコール依存症でもなければ)容易にできる。
だから、負担感が少なく、国民に受け入れられやすい税金だったといえる。