セミリタイア生活を送っておられる方々のブログを読んでいると、
「絶対に貯蓄を減らしたくない!」
と思っておられる人が多いように思う。
貯金を取り崩すだけの生活でも大丈夫なのに、働いて収入を得たり、株で含み益や配当金を得ようとする。
なぜ、貯蓄を減らしたくないのか?
貯蓄が減る恐怖
まず考えられるのは「貯蓄が減る恐怖」だ。
貯蓄がいっぱいあっても、「貯蓄が減るだけの生活」に耐えられない。
老後の生活資金が確保できたとしても安心とはほど遠い。なぜなら貯金を切り崩す生活そのものが不安である。貯金を切り崩さないために、年金以外に年間100万円必要だとすると、利回り1%の金融商品で1億円、3%の金融商品で3,000万円投資している必要がある。
出典『残念な人のお金の習慣』 (山崎将志(著), 青春新書プレイブックス, 2011) p. 130
「貯蓄ゼロ = 死」と本能的に思ってしまう。
頭では「貯蓄がゼロになったからといって死ぬわけではない」とわかっている。
が、人間は貯蓄が減ると恐怖を感じるようにプログラムされているようだ。
貯蓄の下限を割り込むのが怖い
ふたつめは「貯蓄の下限」だ。
人はそれぞれ「安心できる貯蓄額」を持っている。
例えば「貯蓄が3,000万円あると安心」というセミリタイア者がいたとする。
もし、貯蓄を取り崩したり株価暴落などで3,000万円を割り込むと、不安になる。
3,000万円を切らないように、働いたり、株式投資などで「貯蓄3,000万円以上」を死守しようとする。
「株の買い持ち」が一番ラク?
わたしの場合、早期退職した当初は「貯蓄の取り崩し生活」でいいと思っていた。
「早期退職」が最優先だったからだ。
収入をどうするかなんて、まったく考えていなかった。
とにかく、早く会社を辞めたかった。
退職後、しばらくしてアベノミクスの株高で資産が増えた。
増えてくると欲が出て「減らしたくない!」と思うようになった(笑)。
減らしたくないが、(雇われて)働きたくない。
なので、セミリタイア生活では労働で収入を増やすより株高を期待した方がラクなのかなと思う。
株安で資産が減ったら「原因は株安でわたしの責任ではない」と思えばいいだけだから。