先日読んだブルーバックスの算数本『解ければ天才! 算数100の難問・奇問』(中村 義作(著), 講談社, 1988)の中に、
$$9 ÷ 10 = \frac{1}{□}+\frac{1}{□}+\frac{1}{□}$$
という問題があった。
筑波大学附属駒場中の入試問題だ(ちなみに偏差値は78(首都圏模試センター))。
9 ÷ 10、つまり9/10を3つの分数に分解する問題だ。
なお、3つの□に入る数字(正の整数)はすべて異なる。
国立中学の入試問題なので、小学生向けだ。
答案
まず、最も左にある最初の1/□を考える。
9/10より小さい1/□で最大の分数を求める。
9/10 = 0.9 なので、0.9を超えない最大の1/□は1/2(=0.5)だ。
とりあえず、9/10 から 1/2 を引いてみる。
9/10 – 1/2 = 18/20 – 10/20 = 8/20 = 2/5
次に、2/5を超えない最大の1/□を考える。
2/5 = 0.4 なので0.4を超えない最大の1/□は1/3だ。
3つの分数に分解できるか
3つの分数のうち2つ(1/2, 1/3)を求めることができた。
あとひとつ。
2/5 から 1/3 を引くと、
2/5 – 1/3 = 6/15 – 5/15 = 1/15
3つめの分数は1/15と求まった。
以上より、9/10は1/2, 1/3, 1/15に分解できるので、
$$9 ÷ 10 = \frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{15}$$
正答例と詳しい解説は本書を参照してください。
<参考文献>
やじうま入試数学 問題に秘められた味わいのツボ(金 重明(著), 講談社ブルーバックス, 2015) pp. 26 – 36 「第3問 古代エジプトの分数」