YouTubeでこんな問題を見つけた。
「3を2014回かけた数を30で割ったときの余りを求めなさい」
この問題を受験生である小学生に解かせるのだから、かなりの難関校だと思う。
同じような問題が灘中でも出題されていた。
動画では「合同式で解くのは難しい」と紹介していた。
が、あえて合同式を使って解いてみた。
答案
問題では「3を2014回かけた数」つまり32014を30で割っているが、ここでは「3で割る場合」と「10で割る場合」を考える。
「3で割る場合」は、32014は当然ながら3で割り切れるから合同式で表すと、
32014 ≡ 0 (mod 3)
次に、「10で割る場合」を合同式で表す。
余りをxとすると、
32014 ≡ x (mod 10)
34 = 81 ≡ 1 (mod 10) より、
32014 = (34)503 × 32 ≡ 1503 × 9 = 9 (mod 10)
a = 32014 とおくと、
a ≡ 0 (mod 3) ……①
a ≡ 9 (mod 10) ……②
となる。
30で割った余りを求める
①の両辺を10倍、②の両辺を3倍することで①②を「mod 30」にそろえる。
10a ≡ 0 (mod 30) ……③
3a ≡ 27 (mod 30) ……④
③④をうまく調節して「a ≡ なんとか」にもっていきたい。
④の両辺を3倍すると、
9a ≡ 81 (mod 30) ……⑤
③-⑤より、
a ≡ -81 ≡ -81 + (30 × 3) = -81 + 90 = 9 (mod 30)
よって、求める余りは9。
補足
「a ≡ 9 (mod 10)」の両辺を3倍するとなんで「3a ≡ 27 (mod 30)」になるのか?
理由を説明する。
「a ≡ 9 (mod 10)」とは「aを10で割った余りは9」を意味しているので、
a = 10k + 9 (k: 整数)
とおける。
この両辺を3倍すると、
3a = 3(10k + 9) = 30k + 27
これは「3aを30で割ると余りが27」を表す。
合同式で書き直すと、
3a ≡ 27 (mod 30)
となる。
【2022.10.10追記】簡単な別解
32014 ÷ 30 = 32013 ÷ 10
32013 = (34)502 × 3 ≡ 3 (mod 10)
より、32013を10で割った余りは3。
式で表すと、
32013 = 10b + 3 (b:正の整数)
両辺を3倍する
3 × 32013 = 3(10b + 3)
32014 = 30b + 9
この式は「32014を30で割った余りが9」であることを表している。