2013年のように株価が急上昇したときにはついつい「勇ましい」ポートフォリオに変更しようとしがちだ。まさにそれが絶対にやってはいけないことだ。
株に入れ込みすぎたためにリタイア生活が破綻するということは絶対にあってはいけないことなので、長目だが、東保裕之著『株式投資これだけはやってはいけない (日経ビジネス人文庫 (と3-1))』から引用する。
「目標を引き上げる」場合は、その時点でうまくいっている場合が多いので、心にスキができやすく、思わぬ落とし穴にはまる可能性がある。最初に方針を決めた時の状況をよく振り返れば、株価が予想外に順調に上がったからといって、急に方針変更などできないはずである。
一九九〇年つまりバブルが弾けた時のことだが、せっかく目標利益まで達していたのに欲をかいて失敗した投資家は多数いた。別に個人投資家だけではない。実はプロでも失敗した人はたくさんいた。
……
なお最もやってはいけない「引き上げ」は、「株式投資上限の引き上げ」である。
……
「株式投資のウエートを当初の方針よりも引き上げよう」と自分が考える時は、実は他の投資家も同じような誘惑にかられやすい時でもある。つまり大半の投資家が「株をもっと買おう」と考える時で、結果的に株価の天井圏になりやすい時と言える。
基本的に、「少々無理をしても株式投資のウエートを上げる」ということは大変危険なことである。「無理をする=危険度が高まる」ということを思い出したい。急な思いつきで「方針変更をして無理をする」ことは「敗北者への近道」になりがちである。投資家は「急な変更方針」は避けなければいけない。
東保裕之著『株式投資これだけはやってはいけない (日経ビジネス人文庫 (と3-1))』p127-129
「2013年の日本株投資家は歴史的な幸運の持ち主」に書いたように、2013年は歴史的な株高だったので、その流れを受けて投資家は「勇ましく」なりがちだ。
実生活と同様、株式投資においても「無理はしない」「欲はかかない」
ということを強く肝に銘じたい。