国の財政が悪化したのは納税の主役である富裕層の減税をやりすぎたから、という身も蓋もない事実。
飯田泰之・雨宮処凛『脱貧困の経済学』(ちくま文庫 2012)によると、、、
雨宮 で、いまはバブルでもインフレでもなく、不況なんだと。不況対策として財政政策や給付を、という話でしたが、それはたとえばどういうものなんですか?
飯田 意味のある減税、ですね。実は日本はすごく減税をやっています。だけど、大幅な減税になっているのは事実上年収1000万円以上の人だけ。
いま財政がものすごくやばい、破産する、とか言っていますけど、あれもバカな話で、たくさんお金を納めてくれるお金持ちだけを、これだけどんどん減税して、それで財政収支が悪くならないわけがない。
小さな政府で無駄遣いをなくす、というと聞こえはいいですが、小さな政府というよりは、たんにお金持ちを減税した、年収2000万円以上の人は、減税による割り戻しが100万円とか、そんな感じ。
雨宮 はぁ~? それはいつごろからなんですか?
飯田 1999年からずっと、ですね。ほとんど毎年減税があって、定率減税とか恒久的ナントカ減税とか、名前はいろいろですが。
日本の財政がここまでひどくなった理由について、どうしてみんなこんなにわかってないんだろう。そこが僕にはいちばん気持ちが悪い。
「お金持ちを減税したから」という簡単な理屈を、メディアではほとんど聞いたことがない。でもどう考えてもそうなんですよね。
本書p.94-95
金持ちを減税してしまったので財政が悪化した。
これでは年金とかヤバそうなので「金持ちじゃない人たち」から税金を取ろうとしているだけなのか。