早期退職してセミリタイア生活に入るとき、わたしの場合は「見切り発車」だった。
この記事では”「見切り発車」で会社を辞めても大丈夫だったよ”、ということを書いている。
「見切り発車」とは、辞書によると次のとおり。
①電車などが,満員などの理由で客を残したまま発車すること。
②議論などが十分に尽くされていない段階で,決定を下し,実行に移ること。 「結論が出ないまま-する」
出典『三省堂 大辞林 第三版』(weblio辞書)
上記の②によくあてはまる。
「議論が十分に尽くされていない段階」というのは誰が誰と議論することか?
それは、わたしの脳内の「セミリタイア推進派」と「慎重派」の議論(対立)だった。
完璧な準備は不可能
ふつう、早期退職してセミリタイアする場合ある程度の貯蓄を用意している場合が多いと思う。
わたしも、お金を用意した。
一番大きな議論のポイントは「用意した貯蓄は十分なのか???」だ。
セミリタイアに慎重になる原因の99%は「十分な貯蓄を持っている自信がない」だ。
「お金がないからセミリタイアできない」のではなく「自信がないからセミリタイアできない」のだ。
退職前には「逃げ切り計算機」で何度もシミュレーションして「何とかなる」という判断をしたが、「絶対に大丈夫」というレベルまでには達しなかった。
- もしもリーマンショック級の大恐慌になって金融資産が激減したら……
- もしも大病したら……
- もしも年金が大幅減額されたら……
という心配は尽きなかった。
しかし、「漠然とした将来不安」のためだけでセミリタイアを中止するのはもったいない。
最後は「エイヤ!」と退職届を出して「見切り発車」した。
見切り発車後の状況
2011年に「見切り発車」でセミリタイア生活に入って、今年(2017年)で6年目だが、シミュレーションの通り「何とかなっている」。
アベノミクスで株価が上がったとか、ブログの収益があった、という要因もある。
が、一番大きいのは「退職前に想定していたよりも支出が少ない」であると思う。
サラリーマン時代と生活レベルはほとんど変わっていないが、サラリーマン時代よりも低支出で生活できている。
仕事上の交際費やストレス解消費がゼロになるからだ。
まとめ
セミリタイア資金を見積もるときは「将来不安」のせいで多めに金額を積み上げる傾向がある。
しかし、ある程度の労働収入や不労所得を見込んでいる「セミリタイア生活」を送るのであれば、退職前に用意する資金はそんなに莫大である必要はないと思う。
あまり過剰に貯蓄を用意しようとすると、退職時期が後ろにずれこんで「時間の喪失」による損失の方が大きくなる。
旅行の準備に時間をかけすぎて、出発日の前に死んでしまうようなものだ。
退職後にもしも「資金不足」だと感じたなら、収入を増やすなり、支出を減らすなり「調整」すればいいのだから、お金については過剰に心配する必要はない。
大病やリーマンショック級の恐慌や天変地異のような「人間の力ではどうしようもないこと」は悩んでも無意味だ。
ということを、6年間のセミリタイア生活で実感した。