健康診断で正常なのに異常と判定される「不運の確率」

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rubber duck

セミリタイア生活は自由時間がいっぱいなので勉強するには最適だ。

先日、放送大学「錯覚の科学 (第8回 ヒューリスティックと行動経済学)」(231ch)を見た。

参照錯覚の科学(’14)(放送大学)

講義で紹介されていた「健康診断の錯覚」が面白かった。

健康診断で「異常」と判断されても実は正常である確率は意外に大きいのだ。

講義ではこんな例をとりあげていた。

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異常なのに実は正常?

罹患する確率が1%の病気があるとする。

つまり、100人のうち1人がこの病気を持っている。

健康診断で病気かどうかを検査するのだが、正確に判定される確率は95%だ。

受診者の5%は「誤判定」され「異常なのに正常」または「正常なのに異常」と判定されてしまう。

もし、健康診断で検査を受けて「異常」と判定されたとき、本当に「異常」である確率は何%か?

答えは約16%だ。

検査で「異常」と判定されても、本当に異常である確率は16%程度しかない。

本当は「正常」である確率が84%近くもある。

理由を説明する。

なぜいいかげんな結果が出るか

100人が検査を受けたとする。

病人がいる確率は1%なので100人のうち99人は健康で、本当の病人は1人だ。

検査では健康な99人のうち95%は「正常」と正しく判定される。

よって、「正常なのに異常」と判定される「不運な人」の数は99人の5%だから、

99 × 0.05 = 4.95 人

となる。

一方、本当の病人のうち「異常」と正しく判定される人数は、

1 × 0.95 = 0.95 人

だ。

よって、検査で「異常」と判定された人のうち、本当に異常である確率は、

0.95 / (4.95 + 0.95) = 0.95 / 5.9 = 0.16101… ≒ 16.1 %

となる。

なぜ誤判定率が5%なのか

今回取り上げた健康診断の検査で正確に判定される確率は95%、誤判定率は5%だった。

なぜ誤判定率が5%あるのか。

それは、健康診断の「基準値」の定義のせいだ。

「基準値」とは次のように決定される。

健診や人間ドックで用いられる基準値とは、健康な人々の検査データを統計学的に算出した数値のことです。このデータは、20〜60歳くらいまでの健康な人の検査成績をもとに、上限と下限の2.5%ずつを除外したもので、残りの95%の人の数値が基準範囲とされています。つまり、「現時点では健康と考えられる人の95%が含まれる範囲」が基準値ということです。

検査後、検査項目ごとに受診者の数値と基準値を照らし合わせて「異常なし」「異常あり」などといった判定をします。異常があった場合、より精密な検査が必要となります。また、異常がなくても、油断は禁物です。この機会に生活習慣を見直し、改善すべきところがあれば早目に改善しましょう。

出典基準値とは(全国健康保険協会(協会けんぽ))

上記の協会けんぽホームページの説明のように、健康診断や人間ドックで行われる検査の「基準値」は、健康人のうち95%があてはまる数値のことだ。

健康なのに「異常」と誤判定される人が5%出る「仕様」なのだ。

健康診断や人間ドックの受診者の5%は「健康なのに不幸」となり、無駄な再検査や治療・投薬で時間とお金を浪費させられたうえ、かかってもいない病気で精神的に悩む日々となる。

悩みすぎて本当に病気になってしまわないか、心配だ。

検査結果が「誤判定」となる確率は、検査項目が増えるほど大きくなる(医療機関側から見れば「儲かる」確率が大きくなる)。

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