セミリタイアしてるので雇われ仕事はしてないが仕事算を解いてみた。
YouTubeでこんな算数の問題を見つけた。
YouTubeHow to solve the “working together” riddle that stumps most US college students
海外の動画で「多くのアメリカの大学生が解けなかった基本問題」というタイトルだった。
日本では「仕事算」というジャンルの問題で、中学入試・公務員試験・SPIでよく出題されるようだ。
問題を和訳してわかりやすいようにすると次のとおり。
社員が3人(A・B・C)いて、2人ペアで仕事をする。
AとBがペアを組むと2時間で完了する。
AとCが組むと3時間で完了する。
BとCが組むと4時間で完了する。
A、B、Cの3人が組むと何時間で完了するか?
仕事算のよくある誤答
よくある間違った解答は……。
A + B = 2 ……①
A + C = 3 ……②
B + C = 4 ……③
①+②+③より、
2(A + B + C) = 9
A + B + C = 9/2 = 4.5
よって、A・B・Cの3人が組めば4.5時間で完了する!
AとBの2人でも2時間で終わる仕事なのに、A・B・Cの3人がかりで2.5倍の4.5時間もかかる?
Cが足を引っ張っているのか?
「4.5時間」は誤り。
上記の解答(誤答)は、「ある作業を太郎は2時間で完了する。花子は3時間で完了する。なので太郎と花子が組めば5時間で終わる!」と言っているようなものだ。
人数を増やせば増やすほど時間がかかるという奇妙な結果になる。
太郎・花子が2人で作業すれば太郎がひとりでやる場合の2時間より短くなるはず。
仕事算のかんたんな解き方
上記の問題はペアを組んだ場合の「仕事が完了するのにかかる時間」が与えられている。
「仕事が完了するのにかかる時間」を「1時間でどれだけ仕事が終わるか(1時間当たりの進捗率)」に変換するとわかりやすくなる。
「AとBがペアを組むと2時間で完了する」→「AとBがペアを組むと1時間で1/2終わる」
「AとCが組むと3時間で完了する」→「AとCが組むと1時間で1/3終わる」
「BとCが組むと4時間で完了する。」→「BとCが組むと1時間で1/4終わる」
上記の条件を式にすると、
A + B = 1/2 ……④
A + C = 1/3 ……⑤
B + C = 1/4 ……⑥
④+⑤+⑥より、
2(A + B + C) = 1/2 + 1/3 + 1/4 = (6 + 4 + 3)/12 = 13/12
A + B + C = 13/24
つまり、A・B・Cの3人が組めば1時間で仕事全体の13/24が終わる。
よって、3人で作業すると仕事が終わるのに24/13時間(約1時間50分)かかる。
【補足】A・B・Cの3人が組めば1時間で仕事全体の13/24(仕事/時間)が終わるので、分母と分子をひっくり返せば24/13(時間/仕事)となり、これが仕事完了までにかかる時間となる。
▼仕事算をわかりやすく解説した動画