株価が急上昇したり、ボーナスが上がったりして気がゆるんだときにやってしまう一番危険なこと。
それは「生活レベルの引き上げ」だ。
豪華な外食や旅行など単発で終わるものはOKだが、最も危険なのは「固定費を上げてしまう」ことだ。毎月の支払いが増えたり、常習性がある浪費をしたりすると、あっという間に借金奴隷に転落してしまう。
お金は貯めるもの
仕事を辞めたくても辞められない原因は「上げ過ぎた生活レベルを維持するため」ではないだろうか。
極端な話、独身であれば、新人当時の生活レベルを続けることは可能だ。生活レベルを上げなければ、相当貯金が貯まるはずだ。貯金が貯まれば将来の選択肢が増える。「やりたくない仕事を定年まで続けるというのが唯一の選択肢」などという事態にならずにすむ。
以前書いた記事「過去10年間の保有金融資産額の推移」のグラフ(下図)で、2003~2007年は昇給と株高で金融資産が増えたが、このときも生活レベルは一切あげなかった。逆に、どうすればもっと支出を減らすことができるか、ということを考え続けていた。貯金を本気で考えるなら「お金は使うものではなく、貯めるもの」くらいの心構えはほしい。貯まったら、のんびりと使おう。
自己投資という甘え
「若いうちは貯金ではなく自己投資にお金を使え」とよく言われるが、浪費の言い訳のように聞こえる。特にボーナス、株の売却益、宝くじ当せん金のような「臨時収入」があるとついつい気がゆるんでしまう。つまらない浪費をすべて「自己投資」と言って自分をごまかすと、もう浪費は止まらない。浪費が度を超えると、浪費を当てにして人が集まってくる。そのような人たちに囲まれるとお金のトラブルが頻発する。
臨時収入は全部貯金する
一番いい方法は、臨時収入はなかったことにして、すべて貯蓄に回すことだ。臨時収入を当て込んだ消費はすべて「浪費」だ。どんなに収入が増えても、ワンパターンな生活を愚直に続ける。これが自由への最短距離だ。