「Chikirinの日記」のエントリー「俺のイタリアン 俺のフレンチ」によると、「俺のフレンチ」というレストランでは原価率が6割(通常の飲食店では3割)で料理が提供されているそうだ。
飲食店の原価率は通常3割と言われています。1万円のコース料理の原価は3000円です。しかし、俺のフレンチなら 5000円で同じ材料を使った料理が食べられます(原価率は 5000円の 6割で 3000円)。しかも材料だけではありません。料理人も超一流店のシェフなのです。
そもそも、「飲食店の原価率」とは何なのだろうか?
原価とは
「原価」の定義を調べてみると、
原価 cost
製品を生産したり役務を提供したりするために原材料、労働力などを消費する。このように、消費する経済価値を製品、役務の一定単位について計算したものを原価という。その算出には条件がつけられており、経営目的に関連したものであり、正常な経営活動に基づく経済価値の消費であることが必要とされる。したがって、たとえば財務費用や異常な損失などは通常、原価に算入しない。
日本経済新聞社編『会計用語辞典 (日経文庫)』
つまり、原価とは主に原材料費、人件費、経費のことであり、借金の利息や大災害による損失等は原価には入れない。
他の書籍をあたってみると、「飲食店の原価率は通常3割」というのは「原価=食材費」という意味のようだ。
「原価率30%」
飲食業界で多くの人が信じている「常識」の1つです。ある料理を作るのに掛かった食材コスト(原価)が300円なら、900円という値段を付ける。つまり元の価格の3倍で売ることが当然であり、妥当な水準であるというわけです。
本当でしょうか。
日経レストラン編『儲けたければ原価率は40%にしなさい!』 http://nr.nikkeibp.co.jp/sales/book/056.html
ボンカレーの原価率
例えばスーパーで「ボンカレー」と「ご飯」を合計300円で購入、調理して「俺様のカレーライス」として提供したとする。「俺様のカレーライス」を「原価率3割」で提供するのなら、価格を300円×3=900円とするのが「飲食業界の常識」というわけだ。
「原価」といえば、カレーやご飯代だけでなく、人件費、光熱費(レンジでチンするための電気代)、交通費(スーパーまでの移動費用)もかかると思っていたが、
「飲食店の原価率」=「食材費/料理の提供価格」
となっているようだ。