健康診断の結果に一喜一憂する小心者なのであまり健康診断は受けたくないから『やってはいけない健康診断 早期発見・早期治療の「罠」』(近藤誠・和田秀樹(著), SB新書, 2018)を読んだ。
「本当に健康診断、がん検診、人間ドックを受けることに「意味」はあるのか?」
という疑問を持ったら一読の価値がある。
セミリタイア生活では健康は財産だから、いつまでも健康でいたい。
しかし、無意味な健診・治療にお金と時間を使いたくない。
本書を読めば「健康を追求するあまりかえって健康やお金を失う愚」を避けることができる。
健診ビジネスのターゲットは40~50代に
今、「健診ビジネス」のターゲットは老人から40代~50代にシフトしているという。
「健診ビジネス」とは何か?
最近は老人が増えすぎて国の社会保障費が危機的になってきている。
だから、厚生労働省は老人にはなるべく医療費を使わないよう誘導している。
老人に変わって医療業界のターゲットになっているのが、老化現象が出始める40~50代の現役世代だ。
どうやって40~50代から稼ぐか。
健康診断や人間ドックで検査項目数を増やし「異常値」が出る確率を上げ、「病人」と判定されやくする(なぜ確率が上がるかは「人間ドックの検査値は賞味期限1日? 」参照)。
検査で「異常」を出して「病人」にして、クスリ・治療・治療前後の検査で稼ぐ。
サラリーマンは年1回ある事業所の健康診断やレントゲン検査は拒否できないから要注意だ。
やせすぎも危ない?
「肥満(メタボ)はよくないからダイエットしてやせれば健康になる」という考えも「健診ビジネスの罠」だという。
「メタボはキケンだ」って脅しておいて、30~50代の間にやせさせる。そしてクスリ漬けにして「正常値」「基準値」に下げさせておけば、10年くらいは早く死んでくれるだろうって。
p. 48
厚生労働省の研究結果によると、BMI(体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m))が30以上の「太りすぎ」とともに19未満の「やせすぎ」も死亡率が高いらしい。
参照「理想的なBMIは22」は本当? 死亡率と微妙なズレ|ヘルスUP|NIKKEI STYLE
「太りすぎ」は健康に悪いのはわかるが、「やせすぎ」も同様らしい。
現役世代に「やせるのはいいこと」と吹き込んで短命にして、老人医療費をカットする厚生労働省の深慮遠謀か?
▼帯(ウラ)