「血液型ガチャ」の問題を解いて「くじ引きの厳しさ」を学ぶ

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数式

YouTubeで「血液型ガチャ」の数学の入試問題が紹介されていた。

参照血液型ガチャ 愛知医科大学

AB型の割合が10%だとすると、何人いればその中にAB型の人が少なくとも1人いる確率が99%以上となるか?

という問題だ。

実際の問題文は次のとおり。

ある集団において血液型がAB型である人の割合を10%とする。ある研究のためにこの集団から集める被験者の中に、99%以上の確率でAB型の人を少なくとも1名含むようにするためには、少なくとも何名以上を集める必要があるか。log103=0.477として求めよ。

(2020 愛知医科大学)

出典松濤舎HP

単純に考えると、「AB型の割合は10%なんだから、10人いればその中の1人はAB型のはず」と思える。

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答案

わたしは次のように解いた。

x人以上集める必要上があるとすると、AB型以外の割合が90%(= 0.9)だからAB型が少なくとも1人以上ある確率が99%以上となるには、

1 – 0.9x ≧ 0.99

となればいい(「x人すべてがAB型以外となる確率」= 0.9x なので、「1 – 0.9x」は「X人のうちAB型が少なくとも1人いる確率」だ)。

– 0.9x ≧ 0.99 – 1

– 0.9x ≧ -0.01

(9/10)x ≧ 0.01

log(9/10)x ≧ log(1/100) = log10-2 = – 2log10 = – 2

x(log32 – log10) ≧ – 2

x(2log3 – log10) ≧ – 2

参照対数の基本的な性質とその証明(高校数学の美しい物語)

log103=0.477 と与えられているので、

x(2 × 0.477 – 1) ≧ – 2

x ≧ – 2 / (2 × 0.477 – 1) = 43.4782608696

よって44人以上集めれば、その中にAB型が1人以上いる確率が99%以上となる。

以上はわたしの答案なので、正答例は上記動画を参照してほしい。

実は、前に更新した次の記事で似たような問題を解いていた。

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ガチャの当選確率は意外に小さい

AB型の割合は10%なので、10人集めればその中に1人はAB型がいるだろう。

と思いきや、44人集めないとけない。

つまり、この問題は当選率10%のくじがあったとしても「10回引けば1回は当たるだろう」という甘い期待を抱いてはならないという教訓だ。

実際は44回引いてやっと1回あたる確率が99%以上となる。

<参考文献>

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