東芝の不適切会計調査に関する第三者委員会調査報告書(要約版)を読んだ。
年功序列・終身雇用会社に勤めるサラリーマンのイヤなところがギューッとつまった報告書だった。
「大企業の正社員になることが人生の目標」だと思っている人はよーく読んだほうがいい報告書だ。
定年まで身分保障されても、毎年のように無茶な目標を強要されるんじゃあ心身が持たないな。
わたしなら(もし貯金があるなら)、さっさと辞めるだろう。
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報告書によると、今回の不正会計は上層部から現場に要求される「チャレンジ」を断りきれずにやっちゃったことが原因らしい。
チャレンジ
チャレンジとは、東芝の社内用語では、
予算上求められた損益や期中での損益改善要求の達成
となっている。
予算の必達要求というのはどこの会社でもあるように思うが、よほど無茶な予算だったのか。
社長直々の命令なら、現場の末端にいる社員は断れない。
無茶な目標を押し付けられると社員はどうなるか、やる気をなくす。
主体的に仕事をしようとする意欲がなくなり、会社が嫌いになる。
短期の目標しかない
予算の決め方についてはこう書いてあった。
長期的な利益目標などの視点から設定されるものではなく、当期又は四半期における利益を最大化するという観点(当期利益至上主義)から設定される数値であった。
わたしも経験があるが、成果主義で目標をたてる場合、目標達成の期限は1年以内だ。
例えば2015年度の目標をたてる場合、2015年度中(~2016年3月)に達成するように求められる。
1年を超える長期的な目標はたてない。
貯金でサラリーマンリスクを回避
無茶な目標を達成したことにするには不正会計に手を染めるしかなかったのか。
大手の名門企業サラリーマンとはいえ、最悪、犯罪者になるリスクをしょってまでしがみつきつつける理由は「辞められないから」だ。
辞めてしまうとすぐに経済的に行き詰まる。転職しても給料が上がる可能性は少ない。
会社から「どんな無茶な目標であっても達成しろ!」と言われるのはサラリーマンであるがゆえの「リスク」だ。
あまりにも命令が馬鹿馬鹿しかったら、サラリーマンにできるのは「逃げる」ことだ。
すぐに辞められる程度の貯金をもっておくべきだ。
貯金は資産運用の原資というだけではなく「サラリーマンリスク」を回避する手段でもある。